【映画】『七人の侍』 黒澤明が伝える戦争とは何か?【レビュー】

【映画】『七人の侍』 黒澤明が伝える戦争とは何か?  1954年公開作品

 

・映画『七人の侍』・予告

 

 

 

 

・映画『七人の侍』・スタッフ・キャスト

 

監督:黒澤明

脚本:黒澤明、橋本忍、小国英雄

出演:志村喬、三船敏郎

 

・映画『七人の侍』・あらすじ

 

失業した野武士たちの度々の襲撃に悩まされていた貧しい農村の村人達が、
それに対抗するためにこちらも野武士を雇い、立ち向かっていくまでの物語。

 

 

・映画『七人の侍』・こんな人に観てほしい!!!

 

・歴代日本映画のトップに挙げられる作品です。すべての日本人に。

 

 

・映画『七人の侍』・私の評価

 

  

 

 

・映画『七人の侍』・感想

 

30年ほど前(!)に買った『日本映画ベスト150』という本(文春文庫)、
これによると、この『七人の侍』は堂々の第1位であります。

おそらく世界映画ベスト150というものを選出したとしても、必ず選出されるであろう
日本映画の金字塔的作品ですよね。

実際、『日本映画ベスト150』の姉妹本として『洋画ベスト150』も発刊されていたんですが、
それは日本映画をのぞいた選出方法でした。
ちなみにベスト1は『天井桟敷の人々』というフランス映画でしたね。たしか。

 

探したらありました。なつかしい。古いですが、めちゃ面白いです。


おお、これもあった。映画好きならたまらない1冊!


こんな姉妹本もあるんですよ。

これも持ってる~。このシリーズ全部面白いです。

 

今回は現在行われている「午前10時の映画祭」にて鑑賞して来ました。
といっても、近場でそれをやってる映画館がなかったので、車で2時間かけて
行って来ましたよ~~((+_+)) 往復4時間。 上映時間3時間半ほど。

 

 

しめい
つ・か・れ・ま・し・た~。

 

 

でも行って良かったです。
今回は人生で2度目の鑑賞ですが、1度目に観たのがもう20年前くらいに遡るので、
内容もほぼ忘れていて、実にフレッシュな状態で(笑) 鑑賞することが出来ました。

ストーリーは上でも書きましたが、
失業し困窮した野盗の度々の襲撃に悩まされていた農村の村人達が、
7人の野武士を雇って、野盗たちと決戦するまでの物語。

 

実際の決戦のシーンは後半の方にありますが、
映画の中心は「侍集め」と、「合戦の準備」です。
つまり合戦以前の話が大半を占めるわけですが、でもそこまでがとても面白いんです!

最初難航していた侍集めも、後にリーダーとなる勘兵衛(志村喬)が引き受けた以降は、
勘兵衛の能力・人徳も相まって、どんどん捗っていきます。
その侍が集まる過程が、それぞれに違って、興味深いです。
観てて、こういうシーンが1番ワクワクするんですよね~。(#^^#)
そいえば漫画『スラム・ダンク』も、メンバー集めはこういう手法をとってましたね。
まさか『七人の侍』へのオマージュだったのか(*’ω’*)!? (ありえる!)

ついに7人集まった侍が農村へとやってきて、山の上からその集落を見下ろした時に、

「あれが俺たちの城か…」

みたいなことを言うんですが、その時は「ん?城?」って思ったんですが、
(実際に貧しい村で、城などはありません)
後になって分かりました。

そうか、彼ら野武士も、もとは城を守っていた武士で、
これからは、あの村を城のように守ることになるんだな、っていう意味での
「城か」
発言だったんですね。
時代劇は不得手分野ですーー(~_~;)

その山から村を見渡すシーンもそうですが、本当にどのシーンも綺麗。
どこのシーンを切り取っても一葉の写真になるし、部屋に飾れます(笑)
写真コンテストに応募しても恥ずかしくないクオリティです!

撮影は当時は斬新だった「マルチカメラシステム」という手法を使っていて、
1つのシーンで何台ものカメラを様々な角度から同時に回すーーという方法。
なので編集も大変だったろうと思います。
が、そのお陰で、よりダイナミックな映像になってますよね。

以前、同じ黒澤監督作で、『赤ひげ』も観たんですが、その時も映像の美しさに
驚きましたねぇ。
まず構図が素晴らしいし、光と影のコントラストも美しいです。
これは白黒映画ならではの美しさですよね。
黒澤監督は画家としての才能もあったそうなので、やはり映像的なセンスは
お持ちだったんでしょうね。(現在の東京芸大も受験していたとか)

 

 

加えて黒澤監督は、お兄さんの影響もあってか(お兄さんは映画の活動弁士)文学青年でもあり、
ロシアのドストエフスキーなどを愛読していたとか。
なので脚本もご自身で書かれてますが、やはり一人で書くのは客観性に欠けるのと、
ストーリー展開に限界があると感じたのか、
この『七人の侍』では、橋本忍、小国英雄さんとの共同執筆です。
橋本忍さんは、あの名作『砂の器』の脚本家でもあります!)

この映画は日本映画5本の指に入る名作だと思います。大好きな作品。
いつかレビュー記事書きます。


その甲斐あってか、ストーリーも非常に面白く、3時間半を飽きさせないです。
7人の侍、それぞれに個性的なキャラクターを持たせ、過去を持たせ、
それが映画の厚みを増しています。
特に三船敏郎さん演じる菊千代は、侍まがいの農民出身者という変わった役どころ。
黒澤監督は、その菊千代というキャラクター作成にあたって

「ジョーカーを作りたかった」

とおっしゃっていたようです。

奇遇にも、今年の米国アカデミー賞にノミネートされていた『ジョーカー』という作品。
これも、まさに菊千代のように、出自の不幸さが生んだダークヒーローでしたよね。
菊千代も親が侍に殺された農民。それでも侍に憧れ、侍になりたくて生きている複雑な存在です。
彼が7人目の侍となったことで、侍と農民の中間点としての人物が作られ、
一気に物語に深みが加わったと思います。

 

 

リーダーの勘兵衛役の志村喬さんも秀逸です。

このシーンとかもう最高!(クリックしたら始まるシーン)

村人で離反者が出た際に、それを刀を抜いて追いかける勘兵衛。
映画を通して、勘兵衛の走る姿は本当にお侍さんのそれに見えて格好よかったです。
勘兵衛がもし現代にいたら、ぜひ部下になって彼とともに働きたいくらい。
理想の上司!ですよ。
それほど魅力的なキャラクターでした。

また、この作品における農民は、野武士たちに襲われるただの可哀想な人々としては
描かれてません。
一癖二癖隠し持った秘密があり、残酷な面も持ち合わせています。
それもこの映画の素晴らしいところです!
登場人物が一面的ではないんですよね。裏があるんです。

でも実際でもそうじゃないですか?
私なんて色んな芸能ニュースとか見てて思いますよ、

 

しめい
え、この人が?
そんな人には見えなかった

 

ーー的なこと。多くないですか?
でも、そういう印象って、こっちが勝手に抱いてたものですよね?
こちらの勝手な思い込み。勝手な解釈ですから。
逆に、自分も相手に与えているであろう印象ってあって、

 

しめい
いや、私そういう人間じゃないんだけどなぁ
勝手に思い込まないでよ~

 

って思うこともありません(^_^;)? 私、多いです。

だから、人は多角的な存在であって、見る側の立ち位置や勝手な思い込みで、
相手を定義づけしているってことが、この映画ではしっかりと描かれています。
黒澤監督はじめ脚本家陣の人間を見る目の冷徹さ、みたいなものを感じました。

 

 

 

最後の雨の中の合戦シーンは凄まじいものがあります。
動物愛護協会、地元支部、勝手に支部長を自負するワタクシとしましては、
あの乱暴な馬の扱われ方に関しましては、目を覆いたくなる部分も多々ありました(^_^;)ゝ
やっぱ昔の映画はそういうとこも今とは違います。
今ではホント、上↑の協会みたいなとこが、あーだこーだと文句つけてくるんじゃないですかね(笑)

降りしきる雨は、しっかりと画面に映るように川から吸い上げた水に墨汁を混ぜたとか、
撮影は2月の凍える寒さの中だった、とか聞くと、
この時代の映画人たちの、映画への情熱・人生の賭け方が今とは全く違うのだと思わされます。
合戦が終わったシーンで、「カット!」がかかった後も、
役者達はみんな雨の中、泥の中、立ち上がれず、突っ伏して泣いていたそうです。

 

戦いが終わって村を去る侍たちーー
農村では季節がめぐり、田植えのシーズンを迎えています。
このシーンに最後にたどり着いて、ここまで観てきた観客も心からほっとします。
やっぱ平和っていいな 何気ない日常こそが幸福なのだな
と、セリフではなく、シーンによって観客に実感させる。
とても映画的ないいラストシーン。

 

有名な最後のセリフ。

「勝ったのは我々ではない。農民たちだ」

 

この映画で当然、黒澤監督はこれが1番言いたかったんでしょう。

戦争に勝者はいない。

と。

しかし、戦うことには理由があり、意味がある、と。

 

観ている観客の我々は、その「戦争」というものの一部始終を目撃しました。
戦争というものは、必ず、発端があり、悲しみがあり、憎しみがあり、
それが、恨みに変わり、復讐へ向かい、
その過程で、ワクワクや高揚感すら感じながら、

 

しかし、最後には、虚しさだけが残るーー

 

世界に名を残す黒澤明監督の代表作であり、最高のエンタメ作品です。
ぜひ1度、ご覧になっていただければと思います。
この映画で戦争の酸いも甘いも感じ取ってみてください。

 

読んでいただいてありがとうございました(*’ω’*)ゝ

 

 

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アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ(Antoine de Saint-Exupéry、1900年6月29日 - 1944年7月31日)は、フランスの作家、操縦士。代表作「星の王子様」。