今回は、映画『鬼滅の刃 無限列車編』を観てきたので、
その感想を正直に書いていきます。
世間ではかなりの高評価で、
「泣ける映画」として話題になっていた作品。
実際に観てみて――
たしかに泣きました。
いい話だなとも思いました。
でも同時に、
「なんかちょっと、ちぐはぐじゃない?」
と感じたのも正直なところです。
今回はそんな私の率直な感想を、
ネタバレなし→ありでまとめていきます。

※この記事は2020年に書いたレビューをもとに、内容を見直しリライトしています。
映画『鬼滅の刃 無限列車編』の評価|面白い?つまらない?
※ここから先はネタバレなしで読めます。
私の評価は4.1点です。

泣いたしとってもいいお話だったけど、
前半と後半のちくはぐ感は否めないかな~。
2つの別の話を1つにまとめてるので、
ちょっとまとまりに欠けた気がしました。
映画『鬼滅の刃 無限列車編』感想|私はこう感じた(ネタバレなし)
いや~やっと観てきました。
『鬼滅の刃 無限列車編』 。
全く原作漫画もアニメも観たことなくて、内容知らず。
でもこの世間の大騒ぎと、映画の高評価。
あとは、なにかと悲しい話題の多かった2020年の
最後に打ちあがった大花火。
これはもはやお祭り!
祭りが始まった!!!ってことで(笑)
映画のお祭りなら、そりゃ参加しなくっちゃ!
と思い、映画館に足を運びました。

2020年ラストに打ちあがった大花火!
とりあえず、いきなり映画だと
全く話についていけないので、
TVでやってた総集編の
『兄妹の絆編』・『那田蜘蛛山編』を観まして、

はしょってね?
と思って、
これじゃよく分からん!映画観ても付いていけない!と、
アニメ全話を観ることを決め💦
頑張って26話全部観て、
万全の準備を整えてから、
満を持して!
映画館に観に行きました~。

自分!
映画『鬼滅の刃 無限列車編』感想|私はこう感じた(ネタバレあり)
まぁ、今や国を挙げてのお祭り騒ぎ、
「鬼滅の刃」神輿を わっしょい♪わっしょい♪♪ 担いで
盛り上がってるようなこの国の現在ーー
に、水を差すようで大変申し訳ないのですが💧
すんません…
映画のパーツ・パーツはとても感動的で
涙、涙だったんですが、
1つの作品のまとまりとしては…
う~ん…
ちょっとちくはぐさがあったように感じました。
その理由をちょっと探ってみたいと思います。
誰を主役にしたかったのか?
この漫画・アニメの主役はもちろん竈門炭治郎くんなのですが、
映画前半こそ炭治郎ストーリーであったものの、
後半はほとんど炎柱・煉獄杏寿郎さんに持っていかれてます(笑)
なので、この映画に関しては潔く、
煉獄杏寿郎さんを主役にしたほうがよかったのかなと思います。
そして煉獄さんが主役であるなら、
もう少し物語の前半部分で、炭治郎たちとの会話や
煉獄さんの生い立ちについて、
炭治郎らが知るなり興味を持って聞くなりする
くだりがあってもよかったかな~と思いました。
今回は、前半は魘夢(エンム)って鬼と炭治郎らの闘い、
後半は猗窩座(アカザ)って鬼と煉獄杏寿郎との闘い、
というふうに、話がくっきり分かれてしまってるので、
1つの映画としてはまとまりに欠けた印象です。
物語のトーンがまとまっていない理由
話自体も前半後半で分かれてしまってるんですが、
映画を覆うトーン、雰囲気ですね、
これもまとまりに欠けたものになってると感じました。
全体的にギャグパートが多すぎた印象。
もう少し減らした方が良かったかも。
特に善逸や伊之助の夢の中に入り込むシーンですね…
まぁ笑ったんですが…
あの夢をみさせる鬼のエンム、
アニメシリーズの終盤で出てきたときに、
めちゃめちゃ怖そうで不気味で、
何をやらかす鬼なのか分からず、


強敵だ💦って思ったな~
あのエンムの声優さん、平川大輔さんですか?
すばらしかったと思います!
鬼という枠組みを超えた、底知れなさを、
声だけで表現してましたね。
映画の予告編ではじめて見た時、聞いた時、
敵ながら魅力的で惹き付けられましたね~。
こいつ、どんな鬼なんだぁ~~!!!って。
映画が始まってからも不気味で、
「そうか! 人に夢を見させて、精神を破壊していく鬼なんだ」
と分かった時はテンションが上がりました。
映画『インセプション』みたいで面白い!と。

ただ…、
その善逸・伊之助たちのギャグパートが多すぎて、
エンムの怖さ、底知れなさに引きずり込まれなかったんですよ。
あの鬼の恐怖に入り込みそうになると、
お笑いパートになって、ほっとして、

彼らはアニメだ
と現実に連れ戻される…
というか(笑)

それ

それ!
エンムじゃないですが、
映画というのは、あの暗闇の空間の中で
観客に夢を見せなきゃいけないもの。
現実に引き戻らせちゃいかんのです。
このアニメや映画は、
原作漫画に忠実に作っているということなので、
原作の漫画ではとくに問題なかった
シリアスとギャグシーンの融合も、
そのまま映画で描くと、違和感がでてくる。
やはり映画では、
細心の注意をはらって両方のバランスをとらないと
難しいなぁ、と。
原作があって、
その原作に忠実に映画を作るというのは
だから私は、反対派です(笑)
映画には映画に流れる世界、
映画の文法ってあると思うので、
原作に必要以上に縛られちゃいけない、
って思うんですよね。

原作ファンが悲しむよねえ?

難しいんだよね💦
前後編にすればよかったのでは?
映画を観た翌日、「鬼滅の刃」ファンの知り合いに、

映画作ったらよかったのでは?
と言ったら、

エピソードが足りん!
と、一蹴されてしまった…(笑)
だから!
原作に忠実であろうとすると限界にぶち当たるんだわ!
映画は映画用として、
新しく話を肉付けすればいいのに。
いろいろ付け足せばいいのに。
それこそ、前編は炭治郎らとエンムの闘い、
後編は煉獄杏寿郎とアカザの闘い、
ってのを軸にしてね、どうでしょ?
足りない内容は、煉獄さんの生い立ちや思想、
炭治郎たちとの触れ合いエピソードを
もうちょっとつけ足せばいいのでは。

潜在意識に入り込む話も、もっと見たかったし(笑)
ーーってなんか今、
世界中の鬼滅ファンを敵に回してる?私(笑)

にわかファンの戯言ですw

好きに書かせてもらう!
そうすれば、後半に出てきたアカザのいきなり感も、
煉獄杏寿郎のいきなり大活躍感も、
ギャグとシリアスのごちゃ混ぜ感も、
エンムってもっと強い鬼だと思ってたのにガッカリ感も、
ちょっと解消されて、
もう少し自然な映画の流れになって
受け入れられるんじゃないかなぁって

でも上でも書いたように、
パーツ・パーツはとてもよくて、何度か泣きました。
ここからはそれを書いていきます。
夢と潜在意識の設定は面白い
ちょっと思ったんですが、
エンムって結局一人も殺してないんですねw
そんなに悪い奴でもなかったのでは?(笑)
といいますか、エンムの「夢」を使った殺害方法を、
結局1度も描いてないので、
エンムが一体どうやって人を殺して血を吸うのか、
よく分からなかったんですわw

だって人食い鬼でしょ。
人の血を吸って生きるわけでしょ。
夢見せて、潜在意識の核を破壊して、それでどーするの。
そこに血は流れるのか?吸えるのか?

さっさと殺して血を吸えば?

という根本的な疑問をずっと抱えながら
映画を観てたんです(笑)
単純に「夢を見せて人を殺す鬼」という、
鬼のオリジナリティーを出そうとし過ぎて、
鬼本来の目的(吸血)から外れていってるのでは…
ってことはないんですかね?(笑)
そこらへんの帳尻は原作漫画ではちゃんと描かれているのかな。
私が知らないだけ?
でもそうだとしても、
そこは映画でも原作未読の観客に向けて
説明が欲しかったところです。
まぁ、そのあたりへの疑問はあったんですが、
人間に夢を見せてその夢に入り込むーーという設定は、
とても面白かったです✨
あと夢には限りがあって、
そこから先の潜在意識の世界の描き方も。
炭治郎の夢の世界。
家族がいたころの幸せな時代ーー
よかったですね。
ずっとそこにとどまりたい、たとえ夢だとしてもーー
物語の前半でしたけど、
もうすでにあそこで号泣してましたw
それでも自分のすべきことのために現実に戻る決意をして、
何度も何度も夢の中で自分を殺して
現実へと戻る炭治郎の強さ、
私なら、ずっと幸せな夢を見ていたいかもなぁ。
過酷な現実と幸せな夢、
どっちをとるかと言われれば、
覚めないなら、
幸せな夢を見たままでいいじゃないか!と思ってしまう(笑)

え?みんなそうじゃないの?
でもその夢が覚めると、
いい夢を見たぶん、悲しさが増すのかな。
人間の悲しさっていうのは、
そうやって、いい時期、幸福な時間があった人ほど
それを失った時、
悲しさを感じる度合いが人よりも増す、ってことかもしれません。

幸せな経験とは諸刃の剣か?
エンムも、そのあと炭治郎に悪夢を見せていたけど…
いい夢見せたり、悪夢を見せたり…
で、結局、彼の目的はなんだったんだろう(笑)
エンムがさっさと人を殺さなかったのは、
つまりは最後の
「煉獄さんは一人も鬼に乗客を殺させなかった!」 by 炭治郎
ってところに話を持っていきたいがための、
大人の事情?(笑)
まぁ伏線づくりだったのかな、と。

煉獄杏寿郎の魅力とは
もう映画観る前から、これでもかってほど
この炎柱・煉獄杏寿郎のことでネット上あふれかえっていて、
なんなら彼の最期まで
ご丁寧におしえてくれてる不届きものまでいて(怒)
そういう余計な情報を巧みに避けながら、
映画館までたどり着くのは至難の業でしたけど(笑)
上げられた期待値、ハードルを上回る、好人物でしたね。
炎柱さん。
彼と亡きお母さんとの病床のシーン、
「何故、あなたが強く生まれてきたのか分かりますか?」
ここからの台詞には泣けました。
自分の持ってる恵まれたものを、
弱い人のために使ってほしいという親の思い。
ノブレスオブリージュという言葉を思い出しました。
ノブレスオブリージュ(noblesse oblige)とは、
「貴族の義務」を意味するフランス語で、
身分や地位の高い者はそれに相応した社会的責任と義務があるという道徳観のこと。
こういう思想は万国共通のものなのだな、と。
この母の願い通りに生きようとして、
実際そう生きた煉獄さんの生きざま、死にざまは本当に立派なものでした。
ただ、私が煉獄さんをもっと素敵に思ったシーンは別にあって、
彼が炎柱になって実父に報告するシーンで、
お父さんは煉獄さんを無下に扱いますよね。
あっそ!
みたいに。
(お父さん… ひどいわ…)
息子としてはおそらく誇らしい気持ちで報告に行ったと思うんですよ。
「お父さんもそうだった炎柱に、私もなりました!」と、
息子の自分をお父さんに誇りに思ってもらいたい、と。
でも、お父さんの態度は素っ気ないものでした💧

煉獄さん、かわいそう。
でも、そのあとですね、
煉獄さんはそれを怒るでもなく悲しむでもなく、
(少なくとも表面上は)
父親は関係ない、
自分は自分の思った道をいくだけ、
と弟くんに言う。
私はあのシーンにじ~~んときました。
人間とは、どうしても他者の承認を求めてしまう生き物です。
特に親の承認は、人間の本能的に
どうしても求めてしまうものではないでしょうか。
しかし、本当に強い自己とは、
おそらく誰の承認をも必要とせず、
ただ自分が自分を認められること、
自分の価値を自分で自分に与えられること、
そしてそうあれるように生きること、
そんな人間こそが本当に強い人間で、
その強い人間だけが、
他者の強さや価値を、見つけてあげられ、認めてあげられる。
まさに、その本当の強さを、
煉獄さんは持っていたのだなと、思います。

本当に格好いいね
ただその強さを体現して生きてきた煉獄さんが、
最期、お母さんに問いかけますね。
「自分はちゃんとやれてましたか?」と。
そして、お母さんに
「やれてましたよ」 との言葉をもらって、
はじめてニッコリ微笑む。
最後の最後に、煉獄さんはお母さんにだけは
自分を認めてもらいたかったんだと思います。
あの煉獄杏寿郎でさえ、母の前では
一人の幼い子供の自分に戻るのだな、と。
人生の最期になってやっと、
本来の自分の姿に戻れたのかもしれません。
映画の前半で、煉獄さんが炭治郎たちに、
「俺の継子(弟子)になれ!」
と言って、3人喜び、舞い上がり、
ふわふわと煉獄さんの周りを飛び回るシーンがありましたが、

本当に見たかったですねぇ…
煉獄さんの弟子になった炭治郎たち。
誰しも、人生を捧げてもいいほどの師匠・上司・先輩に出会うことを
心のどこかで求めているんじゃないかと思うんです。
この人こそは信頼できる、この人のためなら全てを捧げられる、
この人にずっとついて行きたい!!!
そう思える存在、
そう思わせてくれる存在に出会うことを。
でも実際にはそんな人物に出会うのは稀だし、
また、出会うことが幸せ、出会えないのは不幸、
ということでもないのでしょうが、
それでも、
そんな人物に出会えるのは、人生の限りない僥倖だと思います。
できれば、そんな師匠と出会った喜ぶ炭治郎たちの、
その後の物語を見てみたかったな、と。
煉獄さんはどんなことをおしえてくれたんだろう、
炭治郎たちは煉獄さんの下、どんな風に成長したんだろう、と思ったり。
見てみたかったですね。
漫画だし、アニメだし、映画だし、
フィクションだし!!!
いつかそんなサブストーリーが、できないこともない、かも…(笑)
そんないい夢をいつかまた映画館で見せてもらいたいです!
この先のストーリーを私は原作を読んでないので全く知りませんが、
煉獄さんの最期の姿を心に刻んで炭治郎たちはこれから闘っていくと、
ちらっとどこかで目にしました。
ずっとそばにいて全てをおしえてあげられなくても、
自分の生きざまの一端でも見せられたなら、
人はそこから多くを学んでいくのかもしれません。
そういう意味では、私たちも、
自分の師匠となる人、見本となる人が、
きっと目を凝らせば周囲にあふれているのかもしれない…
と思ってみたりします。
自分の生きざまの一端を見せてくれる人物が。
そこから何を学ぶか学ばないか、
すべては自分次第なのかもしれません。
私たちの周りにも、煉獄杏寿郎はいっぱいいるんですよ!
きっと!!!
そしてあなたも、
誰かにとっての煉獄杏寿郎なのかもしれないですね✨
映画『鬼滅の刃 無限列車編』はこんな人に刺さる作品
映画『鬼滅の刃 無限列車編』は、
・キャラクターの生きざまや信念に心を動かされたい人
・「強さとは何か?」みたいなテーマが好きな人
には特におすすめです。
逆に、
・テンポよくスッキリまとまった作品を求める人
には合わないかもしれません。
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映画『鬼滅の刃 無限列車編』作品情報
監督 :外崎春雄
脚本 :ufotable
原作 :吾峠呼世晴
出演 :花江夏樹、鬼頭明里、日野聡、下野紘、松岡禎丞(声)
上映時間:117分
ジャンル:アニメ/アクション/ダークファンタジー
まとめ|映画『鬼滅の刃 無限列車編』は観る価値ある?
映画『鬼滅の刃 無限列車編』は、
たしかに多くの人が涙するだけの力を持った作品でした。
キャラクターの生きざまや想いには心を動かされ、
特に煉獄杏寿郎という存在の強さと優しさは、
観終わったあともずっと心に残ります。
ただその一方で、
物語の構成やトーンの面では、
少しまとまりのなさも感じてしまいました。
なので、この作品は、
「完璧に整った映画」というよりも、
「強く心に残る瞬間のある作品」。
特にラストシーンの煉獄さんの最期は、
強く心に印象付けられました。
賛否が分かれる部分も含めて、
一度は観て、自分なりの感想を持ってほしい――
そんな一本だと思います。
今日も最後まで読んでいただいて本当にありがとうございました。
英語版はこちら(Read the English version here)
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