このシリーズでは、私が「本当に大好きな日本の歌」を紹介していきます。
海外ではあまり知られていないかもしれませんが、
日本では多くの人に親しまれている曲たちです。
私自身の体験や感情と深く結びついた楽曲を中心に、
少しずつ紹介していけたらと思っています。
日本の音楽には、日本語だからこそ感じられる情緒があると思うんです。
その一端を、少しでも感じてもらえたら嬉しいです。
まずはこの曲を聴いてみてください
イルカ「なごり雪」
3月になると聴きたくなる曲「なごり雪」
私、毎年3月になると、この曲が聴きたくなるんです。
それが「なごり雪」。
日本では3月って、卒業の季節であり、別れの季節でもありますよね。
その時期になると、よく流れてくるのがこの曲です。
歌手のイルカさんによるリリースが1975年なので、
もうかなり古い曲なんですが、
正直、私の中では全く色あせない名曲中の名曲です。
駅のホームでの男女の別れの場面を描いた曲で、
都会に住んでいた彼女が田舎の実家に帰ることになり、
彼氏がそれを見送りにきている——
勝手にそんな情景を想像してるんですが合ってます?(笑)
「なごり雪」が描く日本の季節感
3月って、日本では暖かさと寒さが入り混じる時期で、
まだ雪が降ることもあります。
春が来ようとしているのに、まだ降る雪。
それを「なごり雪」って呼ぶんですよね。
日本ならではの情緒のあるネーミングだと思う。
雪に重ねられた、断ち切れない想い
「なごり雪」という曲名には、
彼女を駅に見送りに来た彼の、
彼女への断ち切れない想いが、雪に重ねられているように感じます。
春に降る雪。
それは彼の彼女への想いでもあり、
2人で過ごした青春の日々への想いでもあるのでしょう。
印象的な歌詞構成と、私が好きな一節
歌詞の構成もすごく印象的なんですよね。
1番では、二人は並んでホームに立って、汽車を待っています。
彼氏は到着時間を気にしていて、そこには季節を間違えた雪が降っている。
2番では、彼女は汽車に乗っていて、車窓越しに彼と向き合っている。
この2番の歌詞が、私はすごく好きで。
「動き始めた汽車の窓に顔を付けて、君は何か言おうとしている。
君の唇がさようならと動くことが怖くて下を向いてた」
それを見てしまったら、もう別れを受け入れるしかなくなる。
自分たちが過ごした日々が終わってしまう。
だから彼は、彼女を見ないんですよね。
見れない、見たくない、っていう気持ち。
めちゃくちゃ美しい場面だと思うんです。
直接言葉にしないまま、
2人の最後の時間だけがそこにあって、
静かな切なさが、この一瞬に全部詰まってる気がして。
まるで一本の青春映画のようなラストシーン
もうホームに汽車はありません。
彼だけが一人、そこに佇んでいます。
そしてそこにも、まだ雪が降り続けている——
そんなシーンで、この曲は終わります。
最初は並んで立つ二人。
次は車窓越しに向き合う二人。
そして最後は、ホームに残される彼一人。
この3つの場面でできている曲なんですよね。
まるで一本の青春映画を観たあとのような、
そんな余韻が残る一曲です。
この曲が呼び起こす「青春の記憶」
この曲を聴くと、いつも切ない気持ちになります。
同じように感じる人も、きっといるんじゃないかな。
もう自分には取り戻すことのできない青春の面影を、
この曲の中に見てしまうからなんじゃないかな、って思います。
この二人と同じような経験がなくても、
そんなロマンティックな別れのシーンはなくてもね(笑)
それぞれの中にある“あの時代の何か”が呼び起こされるというか。
聴いた人それぞれにとっての「青春の終わり」を重ねてしまう、
そんな一曲なんじゃないかなって思います。
歌詞はぜひ自分のペースで味わってみてください
上で紹介した動画のコメント欄には、
一番上に歌詞が掲載されています。
もし気になったら、
ぜひその動画ページで、歌詞を読んで味わってみて欲しいです。
まるで一本の青春映画を観終えたあとのような、
そんな余韻に、あなたもそっと包まれるかもしれません。
ライブで聴く「なごり雪」もまた違う魅力
ライブ版もまたいいですよね。
イルカさん、いつまでも若い!
そして、右の伊勢正三さんは「なごり雪」の作詞・作曲者。
今日も最後まで読んでいただいて本当にありがとうございました🐾