このシリーズでは、私が「本当に大好きな日本の歌」を紹介していきます。
海外ではあまり知られていないかもしれませんが、
日本では多くの人に親しまれている曲たちです。
私自身の体験や感情と深く結びついた楽曲を中心に、
少しずつ紹介していけたらと思っています。
今回は、さだまさしさんの『風に立つライオン』をご紹介します。
初めて聴いたのはいつだったのかすら忘れるほど遠い昔ですが(笑)
その時は本当に感動しましたね。
まずはこの曲を聴いてみてください
さだまさし『風に立つライオン』
感想
この曲『風に立つライオン』は、さだまさしさんの1987年リリースの楽曲です。
作詞・作曲もさだまさしさん。
歌詞のモデルになったのは、
柴田 紘一郎さんという元長崎大学で医師をされていた方で、
その後、ケニアに派遣され、アフリカ各地で医療活動をされていたそうです。
この曲は、帰国後の柴田さんと知己を得たさださんが
彼から聞いた話にインスピレーションを受けて書かれたようです。
柴田先生は2025年にもうお亡くなりになっているようです。
手紙が歌詞になっている
何より君が僕を怨んでいなかったということが
という歌詞から始まるこの曲は、
アフリカに渡って地域医療に取り組む医師が、
日本にいる「突然の手紙」をくれた相手に対して書いた、
返信の内容が、そのまま歌詞になっています。
結構、斬新ですよね。
手紙の内容をそのまま歌詞にするなんて。
最初に聴いた時は驚きました。
でもその手紙の内容だけで、
私たちリスナーは、色々なことが分かります。
2人の関係性や、相手への想い。
相手の現在の状況も。
書いた医師の仕事に対する考えや希望まで。
特にすごいと思ったのは、
最後に綴られた「おめでとう」だけで分かるわけです。
あ~、お相手の女性は結婚されるんだね、と。
結婚の報告の手紙が送られてきて、
この医師はその返事を彼女に書いているんだね、と。
1つの手紙を歌詞にして、
ここまで聴いてる人間に2人の状況を分からせるなんて、
まずそこが巧いなあと思いました。
響いてくるものの変化
この曲は1987年に発表されたので、
私が初めて聴いたのは、それから数年後だったと思いますが、
その時は、この医師の志や生き様に
ただただ感動しながら聴いていました。
崖の上に立ち、下に広がる荒野を臨みながら、
鬣(たてがみ)を風になびかせているライオンを想像して、
その医師の崇高な決意や覚悟といったものに
心を揺さぶられていた、というのかな。
そういう部分に感動してましたね。
なんて素晴らしい人がいるんだ、って。
実際にいる医師をモデルに歌詞が書かれた事も知っていたので、
すごい先生がいるんだな~と。
でも、最近改めて聴いてみて、
ちょっと昔とは違う部分に心が響くようになってきました。
それは、さっきも書いた、最後の言葉。
という部分なんですよね。
昔はただただ立派なお医者さん、
すごい人物…
という風に見ていたんだけど、
今聴いていると、
このお医者さんの、その言葉、
「おめでとう さようなら」
に込められた、切なさが響いてくるっていうか。
多分、思うに、
初めてこの曲を聴いた時は、
私はこのお医者さんよりも年下だったんですよ。
でも、今はもう、この曲の中の彼の歳は追い越していて、
なんだか、年下の若者を見る目線なわけです(笑)
心から 遠くから いつも祈っています
おめでとう さようなら
おそらく、日本を離れる時、
自分の夢の為に彼女と別れたんでしょうね。
でも、嫌いになって別れたわけじゃない。
その人の結婚の報告を聞くのは複雑だし、
ましてや「おめでとう」というのはとても辛かったのでは。
でも、彼女から離れたのも自分の選択なわけです。
そして彼女が幸せになることが嬉しいこともまた本当で、
そういう複雑に絡み合った心情の中で、絞り出した
「おめでとう さようなら」
だったような気がしてしまって、
今この曲を聴いていると、
いつもこの最後の部分で泣いてしまいます。
「僕は風に向かって立つライオンでありたい」
という歌詞の部分が、
この曲の最も感動的な部分で、
曲の1番盛り上がるサビの部分なんだろうけど、
なんだか、今聴くと、
この最後の、「おめでとう さようなら」のほうが、
この青年医師の静かなる意思と覚悟が伝わってくる気がするんです。
こうして泣ける場所が変わってくるのも、
自分の年齢が変わってきたっていう証左なんでしょうね。
好きな歌詞
もう1つ、すごく好きな歌詞があって。
ここ。
人ってそうじゃありませんか?
自分の願い通りの人生が歩めていたら、
それの大変さはそんなに気にならない。
この医師にとってもそうなんだろうなと。
たとえ様々な不便が重なっている暮らしの中でも、
人の命の現実と向き合う厳しい仕事の中でも、
自分の思うとおりに生きられたら、
それが1番、人って幸せなんじゃないかなって思わされます。
分からない歌詞
僕は「現在」を生きることに思い上がりたくないのです
この歌詞の意味がずっと分からないんです。
「現在(いま)」を生きることに思い上がる、
とはどういうことだろう?って。
ここ、さださんの解説があったら聞いてみたいくらい。
でもそんな解説なんて野暮なことは
さださんはしないのかなあ(笑)
それでいいのか。
分からない言葉は分からないままで、
そのままでいいのかもしれませんね。
映画化もされた
そいえば、この曲に感動した俳優の大沢たかおさんが、
この曲をベースにした映画を作ったんですよね。
観に行ったんですが、
ちょっと私のこの曲に持つイメージとは違った映画でしたね😅
あ、でも、
最後に流れる『風に立つライオン』は、
やっぱり良かった(笑)
そこはもう1度観てみたいなって思います。
映画の内容は、完全なるフィクションであるみたいです。
こちらモデルとなった柴田紘一郎さんのお話👇
映画「風に立つライオン」は長大出身外科医の体験談だった!
でも、やっぱり私にとって『風に立つライオン』は、
映画より先に、まず「歌」なんですよね。
これから年齢を重ねるたびに、
また違う場所で、この曲に泣かされる気がしています。
この曲を聴いたことがきっかけで、
医師を志す若者もいるのだとか。
日本はどこかで道を間違ったのかもしれないけど、
そういう若者が少なからずいることは、
そしてこの曲に感動できる人がまだいるのなら、
私はまだまだ日本も捨てたものじゃないなって思ってます✨
まだこの曲を知らない多くの人達に
ぜひ知って聴いて欲しいなと思って、
この記事を書きました。
この曲を聴いて、何か心に残るものがあったなら
とても嬉しいなと思います。
今日も最後まで読んでいただいて本当にありがとうございました🐾
この記事には英語版もあります。
英語版はこちらからご覧いただけます。
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