【映画】『パラサイト 半地下の家族』 悲劇と喜劇の分岐点【レビュー】

【映画】『パラサイト 半地下の家族』 悲劇と喜劇の分岐点 2020年日本公開作品 

 

 

カンヌ国際映画祭 パルムドール賞

アカデミー賞 最優秀作品賞・監督賞・脚本賞・国際長編映画賞

 

・映画『パラサイト』・予告

 

 

  

・映画『パラサイト』・スタッフ・キャスト

 

 監督:ポン・ジュノ

 出演:ソン・ガンホ、イ・ソンギュン

 

 

・映画『パラサイト』・あらすじ

  

半地下で暮らすキム一家は、みんな失業中。
だが、長男ギウがIT企業CEOの豪邸で家庭教師に採用されてから
家族の運命が大きく変わり始める。

 

・映画『パラサイト』・こんな人に観てほしい!!!

 

・格差社会に不条理を感じている人

・サスペンス映画が好きな人

・ソン・ガンホの演技が好きな人 

 

 

・映画『パラサイト』・私の評価

 

 

  

 

 

 

 

 

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・映画『パラサイト』・感想

 

見てきました。パラサイト!
いや~面白かったです。
ストーリー展開が早くて上手くて、さすがのポン・ジュノ作品です。

ポン・ジュノ監督の映画を観るのはこれで3作目で、
「殺人の追憶」、「母なる証明」、そしてこの「パラサイト」。
どの作品にも共通して思ったのは、やはりこの監督は
サスペンスの語り口・表現技法に長けた監督さんだなぁということ。
なんてことないシーンでも、その撮り方・語り方によって、
怖くなったり意味深になったりする。そういうのがとってもお上手!な監督さんです。

でも今回のこの「パラサイト」は、それに加えてコメディ要素も含まれていて、
十分なエンタメ作品に仕上がっていたと思います。

 

~~ ここより盛大にネタバレしてます。 未見の方は要注意です!!!~~

 

 

 

るお金持ちの一家の豪邸に、半地下に暮らす貧乏一家が徐々に寄生していってーー

というストーリーなんですが、
ま、途中までは結構この半地下家族がひどい事をしていってるにも関わらず、
おもしろおかしく話が進み、こちらもわりと何故か共感して観ていけちゃってます。
(いやしかし、結構悪どいことをやってるんですよ! この家族(^-^;) )

が、途中、その豪邸に元いた手伝いさんがやってきてーー
からは話は一気に加速していき、
振り返ってみると、その翌日におきる出来事までで映画はほぼ終わるーー
あとは起承転結の結の部分のみ、という映画構成。

 

盛りだくさんのラスト2日間です(笑)

 

映画に象徴として出てくる大きな飾り物の「石」がありまして、
それがいったい何を表現しているのか、
私もよく分からないまま家に帰ってきて、いろんな方のレビューを見てしまいました。

 

さまざまな意見がありましたが、
私はあの石は、主人公の半地下一家の長男ギウくんの(加えて家族全員の)『望み・欲望』みたいなものの
象徴なのかなと思いました。
その石が彼の友人からもたらされてから、
家族の運命の歯車がおかしな方向に回り始めます。
そして終盤で、その欲望の塊(石)にガツンと頭を殴られて、ギウくんは目を覚まします。

 

(自分は何かおかしな夢でも見てたんじゃないかな…)

 

ラストシーンで、決して届くはずのない手紙を、父親に書くギウくん。

そこには、夢から目を覚ましたギウくんの
哀しくも新たな願いが書かれています。

自分がお金持ちになって、あの豪邸を買い取るという夢。

その哀しい願いは、現在の韓国社会ではほぼ実現不可能である、
だから「哀しい」願いだと受け取る方が多いのだろうと思います。

でも私はそうは受け取りませんでした。

たしか主演のソン・ガンホさんもインタビューでこんな風に話されてました。

 

「それでも人生は続いていく」
「私たちが最も幸せになれる喜劇や悲劇があったとしても、
 それでも人生は続いていくんだと、この映画を通して感じてほしい。」

 

最後に、ギウくんはその石を手放すんだけれども、(そのシーンは恐らく彼の妄想)
今度は自分の中で作り上げた自分だけの新しい願い(新しい石)をもって、
これからの人生を歩んでいく。

 

それは、ある人にとっては、「実現不可能」と思えるものかもしれないし、
でも違う人にとっては、「難しいが、やれば出来るかもしれない」と思えるものかもしれません。
それをどう捉えるかはその人次第で、どちらを取るかもその人次第。

ギウくんが最後に描いた夢は、本当に実現不可能な哀しいだけの夢だったのでしょうか。

 

 

 

もう1つ、映画で象徴的に扱われていたのが「臭い」でして、
それは「匂い」ではなくて、「臭い」ですね ^^;
ちょっとクサさを伴う香り…

映画では「臭い」は表現できないので、観客はそれを想像するしかないのですが、
実際映画館からそれが臭ってきたらどうなるでしょうね。
最新の『4DX』とかいう映画館なら、そのくさい「臭い」とかも表現できそうですが、
さて、それで観客が入るのかどうかーー。

やっぱり「臭わない」映画館の方がお客さんが入りそうな気がします。(^-^;
ーーってことはやっぱり、私たちも、あのお金持ちのご主人のことをどうこう言えないわけで。

 

臭い空間に長時間いるのはイヤです!!(キッパリw)

 

そういうのは人間の本性みたいなもので、それで人が人を判断してしまうことも、ある意味自然なことなのかなと思います。

私がこの映画でもっともズッシリときたのは、
人間って、お金がなくても学歴なくても、それなりに我慢して
楽しくやっていけるんですよね。実際あの半地下家族も途中まではそれなりに幸福そうでした。

だけど、
人間がもっとも傷つき、怒り、貶められるのはーー、やっぱり

 

人としての尊厳を踏みにじられたときーー

 

なんじゃないかな~ と思ったんですよね。

 

あの半地下家族のお父さんが、なぜ金持ちご主人を刺したのか。

それは、人間の尊厳(プライド)が踏みにじられたからじゃないですか?

あの豪邸のリビングのテーブルの下に家族と隠れていたとき、
金持ちご主人が言いますよね。

「あの運転手、臭い(~_~;)」 

たぶん、自分だけが聞いていたら、そこまで傷つかなかったかもしれない。
でも、家族の前で、子供の前で言われたら。
それは言葉にはならないほど傷ついたし、言ったご主人を憎んだと思います。

加えて、自分と同じ臭いがしている、と言われていた家族のことも
同時に汚されたような気持になったでしょうーー。

 

 

この哀しい物語の分岐点はどこだったんでしょうか?

少なくとも途中までは、たとえ犯罪まがいなことをしていても
それなりに楽しく私たちも観ていたお話だったのにーー

たぶん、あの二人の地下夫婦が登場したとき、
それを発見した半地下家族は、彼らを見下しましたよね。自分たちが上に立った、と。
私はあそこが物語の大きな分岐点だったように思うんです。

そして私たちがこの現在の資本主義社会で、幸福な社会をいまだに作り出せていないのも
そこにヒントがあるような気がするんです。

自分たちよりも下層の人達を見つけたとき、出会ったとき、
分け合うよりも分断するほうへと思考が働いてしまう。
手を差し伸べたら、今度は自分がそこへ引きずり込まれてしまう。
助けた人間に取って変わられてしまう。

そういう「恐怖心」がおそらく誰の心にも潜んでいる。

もしあの時、あの地下夫婦の願い通りに、
地下に住む夫に、時々ご飯を差し入れしてあげていればどうなっただろう。
誰も何も失わず、みんなが何かを得て、それぞれの幸せを手に入れていたのではーー?

そういうアナザーストーリーもあったはずです。

では何故そのストーリーへと向かっていけなかったのか。

この映画を目撃した私たちは、そこに対峙していかなきゃいけません。

ただ、今の韓国社会が悪い、資本主義が悪い、と唱えているだけでは
何も変わらない気がしているのです。 

 

今日も読んでいただいて本当にありがとうございました(*^-^*)

 

 

 

 

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・映画『パラサイト』・関連作品

 

 

 

ポン・ジュノ監督の過去作品で面白かったもの PART1


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スピルバーグコッポラもお手本にした作品です。

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アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ(Antoine de Saint-Exupéry、1900年6月29日 - 1944年7月31日)は、フランスの作家、操縦士。代表作「星の王子様」。