映画『ファーストキス 1ST KISS』を観ました。
結婚生活に色んな葛藤を抱えている人、
パートナーに不満を抱きがちな人、
そんな人にはぐさっと刺さる映画かもしれませんが、
それだけじゃなく、
結婚してない人にとっても、
なにか考えさせられる普遍性を持った作品です。
私が観終わったあとに心に残ったのは、
「もし、自分の残り時間が分かっていたらどう生きるだろう?」
という、シンプルだけど重たい問い。
タイムリープという設定でありながら、
派手さよりも、人の感情や選択を丁寧に描いた作品で、
じわじわと余韻が残る映画でした。
今回は、そんな『ファーストキス 1ST KISS』の感想を、
ネタバレありで書いていきます。

それでは行ってみよう!
映画『ファーストキス 1ST KISS』の評価|面白い?つまらない?
私の評価は4.2点です。

映画!って感じがした。
面白かったです。
松たか子さんを堪能できる作品ですね。
感想(ネタバレあり)
舞台設定の美しさ
ずっと観たかった映画『ファーストキス 1ST KISS』観ました。
これって坂元裕二さん脚本なんですね。
ちょっとこの方の脚本苦手なので、どうかな~と思ってたけど、
とても良かったです。
まずいいなと思ったところが設定。
タイムリープする場所。
森の中の自然豊かな場所に建つホテルで、
2人が毎回出会う、っていう設定がいいなと思った。
どうせ何かを繰り返すなら、
美しい景色の中で繰り返して欲しいという
単純な観る側の視覚的な願い(笑)
あのところどころで出てくるカメラ持った子供たちも
意味不明な存在だけど、いい味出してる。
松たか子があの子らに素っ気ないのもいい👍
坂元裕二さん脚本だと、こんな恋愛映画もおすすめ👇
Prime Video『花束みたいな恋をした』はこちら
カンナの動機に疑問あり
冷めた夫婦になってしまったカンナ(松たか子)とカケル(松村北斗)。
カケルは離婚届け提出の日に駅のホームに落ちた人を助けて
亡くなってしまう。
カンナはカケルの死を深く悲しむ描写はなく、
わりと淡々と過ごしているように見えたんだけど、
若い時代のカケルと出会うなかで
カケルの未来を変えようとし始める。
急にカケルに「生きてて欲しい」って気持ちが出てきたように見えて、
そこは少し意外というか、不自然さは感じました。
若いころの優しかった楽しかった時代のカケルを思い出して、
そういう思いが強くなってきたのかな。
カンナが未来を変えようと色々試行錯誤してたけど、
もしそれが成功したら、
未来に自分が帰った時に、あの部屋にあの旦那がいる日常が戻るんだよね?
いいのか?それで。
ま、どうせ離婚するんだし、
そこはいいのか。
嫌いな旦那ではあったけど、それでもいい、
それでも生きてて欲しい、
そう願ったんだろうけど、
そう思えた強い動機は欲しかったかなあ。
たとえば、
なにか知りたいことがあって、
それをカケルに聞きそびれたままカケルが亡くなってしまい、
カンナはそれを聞きたいから、
未来を変えるために何度も過去に行って頑張る、
とか、
でもそうやってるうちに、
だんだん、本当に生きてていて欲しくなる、
とか、
そういうカンナの気持ちの変化は見たかったかも。
若い松たか子を見て泣きそうになる
もう1つ、とても良かったのが、
若い時代の松たか子が登場してたこと!
あれって、なに? CG?
最近の技術すごいですね。
あんなことが出来るんだ。
しかもめっちゃ若かりし頃の松たか子だった✨
ほんまもんですやん(笑)
昔の松たか子を知っているだけに
感動も大きい✨
若い時代の彼女のドラマを見ていた人間としては、
そういう驚きや、感慨深さもありました。
本当にあの時代に戻ったような、
見てるこっちまでそういう気持ちになるんですよ。
タイムリープ映画であまりこういうシチュエーション見たことないですな。
過去に戻って、その時代の自分を見るっていうの。
子供時代や学生時代を、別の役者さんが演じている、
っていうのはよくあるけど、
こういう若い時代もよく知られた俳優さんの、
若いころをCGで?って
あんま見たことないので、
そういう驚きや感動もありました。
なんともいえない想いが胸に迫ってくるのです。
あの時代のあの女優さんにもう1度会えたような、
不思議な感動でした。
過去の人に未来をバラす斬新さ
あと、カンナは、カケルに全部バラしましたよね?
自分が未来から来た存在で、
カケルは将来亡くなるってことも。
2人が夫婦で、離婚するってことも。
そういうのって大体バラさずに帰るのが
私が今まで観てきたタイムリープ映画では多かったので、
全部話しちゃったときは、少しびっくり。
あ、バラしちゃうんだ?斬新~って思って(笑)
そこも、今回は変わってて、
面白いな~と思った部分。
やっぱりバラしちゃう方が
見てて面白いからね(笑)
でも、自分の未来を知ったあとで、
どうカケルは生きていくか、
ってことが今度は
見てるこっちとしては興味の対象になっていくのだけど、
そういう部分もきっちりと描いてくれてて、
そこの満足度も高い映画。
やはり自分が15年後に〇ぬと分かっていると、
人はどういう生き方になるのか、
どう生きたいと思うのか、
それをきっちり描いていて、見せてもらえたので、
そこは完成度の高い作品だと思えました。
よくある感想に対する私の考え
結局、長かれ短かれ、
私たちはみんないつか〇ぬ。
なのに、それを意識しないで
なんも考えずに生きていて。
でも、15年後!って区切られると、
やはり意識しないわけにはいかないんでしょうね。
そこんとこも、絶妙な長さ(15年)なんだと思う。
これが30年後!とか言われても、
まあ、そりゃあ、あるかな、って思えちゃうからね(笑)
いくつか人のレビューを見ていると、
・どうして未来が分かっているのに変えようとしないんだ!
・人のために自分を犠牲にする生き方は時代遅れ
的なのもちらほら見ましたが、
私はそうは思わなかったですね~。
まず、作中でカケルに全部バラした場面で、
カンナが何度も未来を変えようと
タイムリープを繰り返したことを知ったカケルは、
「でも何も変わらなかったでしょ?」
って言ってるので、
彼は、何をやっても結局未来は変わらない、変えられない、
という考え・思想を持ってる人なんだ、
ときっちり描写してあるんですよね。
なので、彼の興味は、変えられない未来を変える事よりも、
そこまでの過程を変えていこう、
という風に気持ちが向いていったんだと思います。
あと、自己犠牲、というものへの批判についても、
これは話の途中でカンナが何度も、
「世の中の多くの人を救うより家族を悲しませるな」
的なことを言ってるんだけど、
もちろんそれは家族側にとったら至極もっともなことなんだけど、
それでも、カケルはそういうシチュエーションになったら
目の前の人を助ける、と自分で言ってましたね。
つまりカケルとはそういう人。
これに関しては、
彼に助けられたベビーカーを押していたママと赤ちゃんのその後を
ラスト近くでさりげなく出しても良かったかもしれない。
そしてその二人をカンナが見る。
カケルの助けた命があった。
2つの命がそこに残った。
それに対してカンナの気持ちがどう変わったのか、
そこは見せても良かったのかも、
とは思いました。
私個人としては、
カケルが自分の保身を顧みずホームから飛び降り
見知らぬ二人を助けたことは、
カケルという人がどういう人かを表す大きなエピソードでもあると思うので、
そういうエピソードはあって良かったとは思うんだけど、
ただこの映画では、
それが上手く機能してないようにも思えました。
せっかくそういう亡くなり方をしたのなら、
その彼の行動のお陰で、どういう世界に変わったのか、
そこまで見せても良かったのかもと思いました。
「Memento Mori」を忘れずに
最後の終わり方はとても良かったと思います。
3か月待ちのギョーザが届いたところで終わるんですよね。
カケルがカンナに残した手紙には、
15年前にタイムリープしてきたカンナと出会って、
そのカンナに自分の未来を聞いて~~
とまでは詳しく書かれていませんでした。
で、私は思う。
あれ?
タイムリープもののお約束として、
このあと、カンナは15年前に行かなきゃいけないのでは…
でも今のままで行ける?
どうやって?
そこに、恐らく3か月前にカケルが注文してたギョーザが届く。
そこで、私は気づく✨
あ、それを焼いて、焦がして、
カンナは、
「ギョーザを焼く前に戻りたい~」(笑)
そして、運転中に、また例のトンネルを通って
15年前のあの森の中に行っちゃうのね、と✨
そうして、
めぐる~めぐる~よ、時代はめぐる~
出会いと別れを繰り返し~♪
(中島みゆき)
となるわけですね~。
よく出来ている。
とてもきれいな終わり方😅
昔、ミスチルの曲でこんな曲がありました。
『花 -Mémento-Mori-』
Mémento-Mori(メメント・モリ)
ってラテン語で、「死を想え」って当時訳されていたような気がする。
たしか。
その曲をちょっと思い出しましたね。
映画観終わった後。
自分の死を意識しながら生きていく事は
なかなかに難しいことです。
でも、こうして未来の自分の奥さんが、やってきて
「残された時間はあと15年だよ」
と言われたら、
そりゃあ、誰でも、『Memento Mori』しないわけにはいかない😅😅
それを知った時に人はどう生きるか。
どう生きるべきなのか。
それを考えさせられました。
私たちだってそうなのです。
なんなら私たちは、15年の保証はないのです。
明日かも、1週間後かも、しれないのです。
それならどうする?
簡単だけど、
でもとても難解な問いかけなんですよね。
まとめ|映画『ファーストキス 1ST KISS』は観る価値ある?
『ファーストキス 1ST KISS』は、
タイムリープものだけど、
派手さよりも人の感情や選択を丁寧に描いた映画でした。
観終わったあとに、
「もし自分の残り時間が分かっていたらどうする?」
そんなことをふと考えてしまう作品。
シンプルだけど、なかなか答えの出ない問いを、
静かに残していく映画だったと思います。
夫婦の情愛の物語でもあるけど、
それだけではない、「生き方」について
しみじみ考えさせられました。
そして、松たか子さん、やっぱすごい(笑)
若い時代は、めちゃくちゃ綺麗だった。
(もちろん今も✨)
私も映画を観ながらタイムスリップさせてもらえた作品でした💖

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